為替動向 昨日の動きと本日の戦略

為替市場のサマリーとストラテジーです

2017/02/22 為替動向 昨日の動きと今日の戦略

【海外時間の流れ】
海外時間はドルが底堅さを示したが、明日の米イベントを前に値幅は限定的だ
った。ドル円は、序盤に利食い売りに押されて113.40円付近へ緩んだものの、
同水準では押し目を買い拾われて逆に113.78円レベルまでレンジ上限を広げた。
株価・金利上昇がサポートになった。また、米複数当局者がタカ派寄りの発言を
したため、明日の米FOMC議事録への期待感を誘ったようにも見えた。

ただ、114円回復に向けて積極的に高値を追って行くだけの手掛かりはなく、上
昇一巡後は113.50円半ばでもち合う格好になった。ユーロは軟調。仏大統領選
挙をめぐり極右政党の国民戦線のルペン氏が対抗馬との差を縮めたことが、手
掛かりとなったもよう。ユーロドルは1.0520ドル台まで低下した。そのほかで
は、クロス円は総じてしっかり。対ドルで円安に振れたことがクロス円をサポー
トした。

【本日のポイント】
ドル円は下値の底堅さが相応に感じられる一方で、上方向もそれなりに重く
112.00-115.00円のレンジ相場が続いている。本日の米FOMC議事録がレンジブ
レイクのきっかけになるか注視したい。

先週、イエレンFRB議長が議会証言で「金融緩和縮小の待ち過ぎは賢明でない」、
「バランスシートに関する戦略を今後数カ月のうちに協議」と述べたためで、市
場では3月の追加引き締め予想も無視できない割合へ上昇してきている。追加
引き締めをめぐる議論もさることながら、バランスシート縮小をめぐる議論が
思った以上に進捗していると受け止められれば、米国の出口戦略をめぐる思惑
が再燃しドルを一段と押し上げる可能性はある。

ただ、FRB議長は「バランスシートの縮小は緩やかな方法で行う」との見通しし
ているほか、トランプ氏の税制策の具体的な姿が見えてこない中でドルを買い
進むにも限界がありそうで、ドル上昇が本格化しにくい展開も予想される。逆に、
議事録の内容が予想よりハト派に振れドルが調整スピードを強めても、中長期
での米利上げ見通しに変化はないためドルの下げも本格化しにくいだろう。結
局はイベントを挟んで振幅しても、28日予定のトランプ大統領の議会演説を控
えて、足許のレンジに回帰する展開になる可能性もある。

個人投資家動向】USD/JPY
東京時間に113.70レベルまで上昇したドル円は欧州時間に入るとやや緩む形と
なったが、113円台半ばでは顧客からドル買い戻しが相応に持ち込まれた。

その後、米債利回りや株価の上昇等を背景にドル円は再び113.70台まで値を上
げる局面も見られ、同レベルでは利益確定のドル売りが先行する格好となった
が、全般的に値動きが限られていたこともあり、取引は短期の売買が中心であっ
た。