為替動向 昨日の動きと本日の戦略

為替市場のサマリーとストラテジーです

2017/02/23 市場動向 昨夜の動きと今日の戦略

【海外時間の流れ】
海外時間はユーロが反発。仏大統領選挙をめぐる不安が後退したほか、ポジティ
ブサプライズのない内容となったFOMC議事録を受けドルが下げたことが材料に
なった。仏大統領選については、中道派のバイル議長がマクロン前経済相を支援
するとの地元報道を受け、極右派のルペン氏勝利への期待が後退した。また、
FOMC議事録は「景気が見込み通りなら利上げはかなり早期」、「大幅なインフレ
リスクは低いと大方が判断」、「利上げペース、緩やかである適切」などとされた
が、3月利上げに対するヒントは殆どなかった。

独IFO景況感が強かったにもかかわらず、1.0494ドルまで低下していたユーロ
ドルは、これらのニュースを受けて1.0570ドル台まで水準を戻した。ユーロ円
も118.60円を底値に119.80円台まで切り返したものの、米イベント後にドル
円が上昇幅を失ったため、伸び悩んだ。一方、ドル円はユーロ円の反発をきっか
けに円売りが優勢となり113円半ばまで反発。FOMC議事録後に113.60円台まで
レンジ上限を広げたが、その後は113円割れまで押し戻された。

【本日のポイント】
FOMC議事録の内容は、先日のイエレンFRB議長の議会証言とほぼ同じ内容で、
3月利上げへの明確なヒントはなかった一方で、3月引き締めに一定の含みも残
す格好になっている。投資家の早期利上げ期待が先行していた分、議事録公表後
はドルが売られたようだった。しかし、年内の複数回利上げ見通しは変わってい
ない。114円台回復がままならならず上値の重さが意識される中で112円台への
調整は仕方ないところではあるが、今回の議事録を受けてドル売りを仕掛ける
のも違和感がある。

昨日も、議事録公表後に113円を割れた場面では、相応に押し目買いが入った
感じだった。実際には、パウエルFRB理事が指摘したように3月FOMCまで発表
される経済指標を注視する必要があるほか、トランプ大統領の政策次第の部分
があるため少なくとも来週までは手掛かり難から、112.00-114.00円を中核レン
ジに推移しそう。ただ、超短期では期待外れに終わった議事録後の流れがどの辺
りで終息するのか注目される。

個人投資家動向】USD/JPY
海外時間のドル円は一時112.90レベルまで下落する格好となったが、113円台
前半から112.90台に掛けては顧客からドル買いが断続的に持ち込まれた。

その後、株価の上昇や仏大統領選挙に絡む報等を背景にリスク選好の動きが
まり、ドル円が113.50台を回復すると、同レベルに掛けては流れに乗じてドル
を買う向きと利益確定等のドル売りが交錯する場面も見られたが、全般的には
ドル売りが選好した。

FOMC議事録要旨発表後、ドル円が再び113円割れまで急落する形になると、
113円台前半を中心に纏まったドル買いが入り、112円台後半に掛けてドル買い
意欲が相応に見受けられた。